食農塾 農福連携について 

  『取組み現場からの報告 NO.1』

       農福連携アドバイザー     理事 宮田 喜代志

 いま日本社会が大きく枠組みを変えようとしています。「地域共生社会」ビジョンです。日本社会を将来的にどんな社会にするかという全体のイメージのことです。
  農業や福祉、地域再生などの各方面の制度システムや仕組みを束ねて、地域共生社会を実現していく準備が始められています。

 平成31年6月4日、「農福連携等推進ビジョン」が取りまとめられました。その中でも地域共生社会構想に呼応して、「福」の広がりへの⽀援を打ち出しています。「福」の中には地域の市民の食育活動も念頭に置かれています。「子ども食堂」なども広い意味での農福連携です。私はこの政策の土台となる研究活動に10年関わってきましたが、いよいよその出番が到来しました。

 地域共生社会を実現していくために、農福連携を地域にどう定着させるか、農業分野と福祉分野だけでなく、一般市民も関わる社会的環境が作られつつあります。

活動報告

 人吉球磨地域を皮切りに、鹿児島県の大隅半島と薩摩半島での農福連携推進に関わりました。おもに地域で農福連携を推進する役目を担うサポーターの育成支援として、連続講座を開設したり、実際の農福連携事例などでの実習研修を行いました。

 その中から、熊本市内の福祉事業所でも、二つ目の人材育成支援事業(農山漁村振興交付金農福連携関係)を開設することが出来ました。

また、下半期には、九州農政局の「農福連携マッチング体制構築プロジェクト」から調査研究事業をいただき、九州内外の事例を40箇所ほど見て回り、3月に農福連携マッチングハンドブックを作成しました。これは九州農政局のホームページにて公開される予定です。

この三年で、農福連携の取り組みは急速に広がっており、多様なスタイルが各地で生まれています。

…以上ご報告でした。